第19章 ~拾~EIGHT
私は家に帰ってからも真子の事が気になっていた
(何であの名前に反応したんだろ。会った事はないし…思い出せない…)
「サラさん?何か考え事ッスか?」
「うん………」
話しかけてもボーッとしたままのサラに喜助はイタズラ心で問いかける
「そんなにボーッとしちゃって~…男の事でも考えてんじゃないッスかぁ?」
ジ「またやってるよ…ι」
喜助はニヤニヤしながら返しを待っているとサラは解って答えているのかこう呟いた
「うん……」
「………ハイ?」
「凄く気になるの…」
「えーーーーー!?」
ジ「当たったのかよ?」
雨「喜助さんすごい」
「無念ですな店長」
「そんな…冗談ッスよねぇ?全然笑えないッスよ~!!」
喜助はサラの肩を掴みグラグラと揺らす
「え?喜助さんどうしたの…」
上の空で答えていたサラは突然の喜助の行動に戸惑う
「好きな人居ないって言うのはウソだったんスか!?」
周りには冗談に聴こえる口調で話す喜助だが内心かなり焦っていた
もしサラに好きな人が出来たら…
付き合ったら…
考えるだけで気持ちが落ちていく
「喜助さ―――」
私は何の話か聴こうとした瞬間、微かな違和感を感じる
「喜助さん静かに…」
「へ?何スかいきな―――」
私は咄嗟に静かにならない喜助さんの口を手で塞ぐ
「喜助さん シッ…」
「………///」
顔を近付け真剣な顔のサラに喜助は心臓が速くなり顔が赤くなりながらコクコクと頷く
私はそれを確認すると目を閉じ意識を集中させた
「近い……」
私は立ち上がると義魂丸を手にした