第19章 ~拾~EIGHT
「サラさん、昨日熱下がったばっかなんだし体調万全になるまで休んでもいいんスよ?」
「大丈夫ですよ。もう元気です♪」
サラは胸の前で拳を作り握りしめる。その仕草に喜助は口がにやけて咄嗟に扇子で隠した
「(可愛い…)でも~…」
「喜助さんは私に甘すぎですよ?そんなんじゃワガママになっちゃう。じゃ、いってきまーす♪」
「もっとワガママに…頼ってくれていいんスけどねぇ…」
私が家を出ると突然声を掛けられる
「一護!!」
「よお!ガッコ一緒に行こうぜ」
「うん♪」
私と一護は学校に向かい歩き出す
「反対方向なのにわざわざ来てくれたの?」
「まぁ…な///ちょっと心配だったし」
「そっか…ありがと。あっ、その後ろに付けてるの代行証?」
「おう。浮竹さんが霊力の高い奴にしか見えないって言ってたからぶら下げてんだ」
「そう…でもバレない様に気をつけてね?一護の霊圧にあてられて見える様になった人もいるかも」
「大丈夫だって」
「その隣のお守りって…」
「これか?親父が勝手に付けたんだけど固くて取れねぇからもうそのまんまでいーやって」
「そう…やっぱり一護は優しいわね」
「そうか?普通だろ」
「ええ、普通♪」
サラはそう言ってクスクスと笑う。一護はそれを見て穏やかな気持ちになった
「いいなぁ…こういうの…」
「こういうのって?」
「えっ!?オレ声に出して…」
頷く私に一護は顔を赤らめる
「いや…サラとこうしてまた学校に通えるんだなって思って…///(てか本当は恋人みたいって思ったんだけど)」
「フフッ…これからずっと一緒よ?よろしくね黒崎くん♪」
私は一護の髪をクシャクシャっと撫でると前に歩いていた織姫達の方へ走っていった
「………///黒崎くんは反則だろう///」
一護は赤い顔で髪を元に戻しながらそう呟いた
「へぇ…あれが黒崎一護…」
そんな一護の様子をある人物が遠くから視ていた
そしてその人物を発端にある出来事が起ころうとしている事をまだサラ達は気づいていない…