第19章 ~拾~EIGHT
9月1日、一護が学校に行く支度をしているとポケットからお守りが出てくる
「あん?」
一護はすっかり一心からお守りを返すのを忘れていたことに気付いた
「親父ぃ、悪ぃ返すの忘れてたぜ。これ大体なんでまだオレが持ってんだか…」
一階に降りた一護は、お守りを渡す
「いらん」
「…は?」
「父さんもう要らないの。だから一護にあ・げ・る❤」
既に一心の手には針と糸
「お、おいちょっと待て!!何制服に縫い付けてんだよ!コラ!!」
あっという間に一心は一護の制服にお守りを縫いつけた
「あっ何すんだよ!?あークソ!取れねーじゃねーかコレ!!」
一護は固く結ばれ取れないお守りに諦めたのか、ため息を吐くとそのまま付けて玄関に向かった
「そいじゃあ行ってくる」
「何だぁ?やけに早ぇじゃねぇか」
「あぁ、サラ迎えに行こうと思って。昨日帰って来た筈だし」
「一緒に旅行行って何でお前だけ先に帰って来るかね~?さてはお前何かヤったな?」
「おいおい、字がおかしいだろうが!!ヤってねぇよ!!…多分」
「まぁ!!一護君たら大胆♪」
「うっせぇ///もう行くぞ」
一護はそう言うと扉を開けて出ていった。一心は玄関に立ったまま深くため息を吐く
「(サラちゃんやっぱ戻って来たんだな…)可哀想に…」
そんな一心の全てを悟っているような呟きは空を舞って消えていった