第18章 ~玖半~UNTIL2
春水さんの発言に皆の顔が戻ったのを確認すると、私は安心して笑顔を作る
乱「そうよね!!一生の別れじゃないんだし。現世に遊びに行くからね~♪」
恋「あっオレもオレも!!」
「ありがとう楽しみにしてる♪」
「サラ」
突如、阿近から何かを投げられ咄嗟に受け取るとそれは霊圧制御装置の指輪
「阿近…これって…」
「割れたって聴いたからな…前より強力に造っといた。しっかりはめとけ」
「阿近…ありがとう」
私は左手の薬指にはめるとニッコリと笑い皆にお辞儀をした
そして穿界門を潜ろうとした時、大きな声で呼び止められる
「サラ!!」
その声に私は動きを止める。咄嗟に駆け出した修兵はイヅルに制されていて
「檜佐木さん…」
「クッ……」
その姿をみた冬獅郎はいてもたってもいられずサラの背中に投げかける
「サラ…上がなんと言おうがオレ達は諦めねぇ。いつかお前が戻って来れる様にするから…待っていてくれ」
私は掌を握りしめるとそっと振り返り皆に笑うと門の中に消えていった
乱「バカ…何て顔してんのよ…」
サラの今にも泣きそうな顔を必死に堪え笑った姿に何人もが涙を流し、皆の中に暗い影を落としていった
浦原商店――――
深夜を回った頃、微かに霊圧を感じた喜助は急いで扉を開ける。そこには俯いて表情の見えないサラが立っている
「……お帰んなさいサラさん」
その言葉にサラはそっと喜助に抱きつく。その行動に喜助は何も言わず抱きしめ返し何度も頭を撫でてくれる
サラはそんな喜助に感謝しつつ静かに涙を流し続けた