第17章 ~玖~UNTIL
「もっと人を頼れ。そして甘えろ。そうじゃないといつか壊れてしまう…」
「浮竹隊長…」
「自分の気持ちに正直になれ…俺は心配だよ。もうお前を近くで見てられなくなるんだから…」
そう言うと浮竹隊長は悲しそうに微笑み頭をポンポンと撫でた
「……浮竹隊長…?」
「ん?」
私は小さな声で呟き浮竹隊長の裾を握る
「……甘えてもいい?」
その言葉に浮竹隊長は笑い、私を抱きしめてくれた。私も背中に腕を回しギュッときつく抱きついた
「……浮竹隊長…大好き」
「ははっ。俺もハルカが大好きだ!」
二人で顔を見合せて笑っていると襖の隙間から視線を感じる
「……ι清音、仙太郎何してるんだ…」
浮竹隊長の発言に二人がなだれ込む様に部屋に入ってくる
清「隊長!!この清音、今見た事は決して口外致しません!!」
仙「まさか隊長とサラさんが恋仲だったとは…長年お仕えしておりましたが全く気付きませんでした!!」
「恋仲!?お前等どこから見てたんだ?」
清「隊長が…サラさんを抱きしめたところからであります!!」
「何て間のいいタイミング…」
仙「お二人の愛の告白…しかと脳裏に焼き付けて家宝に致します!!」
清「あっずるいわよ仙太郎!!アンタが家宝なら私は国宝よ!!」
「お前等……ι」
言い争う二人を宥める浮竹隊長を見て私は心が少し軽くなった気がした