第17章 ~玖~UNTIL
次の日、目が覚めると私は病室のベッドの上にいた
「(私……そっか…蔵で倒れて―――)月華!!!」
私は慌てて飛び起きて月華を探すとベッドの傍らに立て掛けてある
「……良かった…」
私はおもむろに立ち上がると羽織を来て月華を手に取ると部屋を後にした
そして双極の丘の下の勉強部屋に着くと斬魄刀を解放した
だが、いくら試しても始解は出来るが卍解が出来ない
「具象…対話が出来ない……嫌われちゃったな…月華…貴方と話がしたい……」
サラは悲しそうに笑うと斬魄刀を収め浮竹のいる雨乾堂へと向かった
「ハルカ!!もう動いて平気なのか!?」
「はい。手もこの通り綺麗に治して頂きました」
「あまり無理するなよ?只でさえ病み上がりなんだから…」
「…詰所まで運んで下さったのですよね。すみません重かったでしょう?」
「何を言ってるんだ、寧ろ軽すぎるくらいだ。若いうちはもっと太っていいんだぞ?」
「はい...あの…今日、床に臥せられているのはもしかして昨日の…」
「いや、俺がちょっと咳をしたら清音と仙太郎が寝てろと言うもんだからな」
「咳…ですか?」
「ああ。ちょっと喉が痛む程度なんだ。この通り元気なのにあいつ等ときたら―――」
私は浮竹隊長に近付くと手を翳し、治癒霊力で緩和していく
「少しじっとしてて下さいね…」
その行動に浮竹はフッと笑みを浮かべる
「そういや昔もこんな事があったな。お前に副官に推薦した時…覚えてるか?」
「勿論。だから嬉しいんです。副官をたてていない事が…」
「お前に言われたからなぁ。副官は海燕だと…俺もそう思う。まぁ三席が二人いるから問題ないしな。そうそう、双極で二人を護ってくれてありがとうな?」
「私は何もしてないですよ。夜一さんが砕蜂連れてっちゃったから…」
「ハルカらしいな…お前はいつもそうだ…他人には優しいのに自分には優しくない」
「そう…ですか?」
今までの和やかな雰囲気から急に張り詰めた空気に私は少し戸惑った