第17章 ~玖~UNTIL
その日の夜、私は浮竹隊長に呼ばれ、ある場所へと来ていた
「おっ来たな。さっき振りだなハルカ」
「どうされたんです?こんな場所に呼び出して…」
そこは古い蔵の前。浮竹は厳重な鍵を開け中へと入っていく。私は疑問に思いながらも付いていった
「早い方がいいと思ってな…これだ」
そこには硝子の箱に入った刀が一振
それを見て私は驚きを隠せない
「月…華……」
「あの時現場にはお前の血と隊長羽織、そしてこの斬魄刀があったと聴く…お前の斬魄刀だ」
ゆっくり手を伸ばし触れようとした瞬間、バチッと電流のような衝撃が走り思わず手を引く
「お前でも駄目か…此処に保管してから誰であろうと触れる事が出来ないんだ。まるで拒絶するかの様に…」
「拒絶……当たり前です。私は一度彼を手離した…絶対に離さないって約束したのに…」
そして私はまた手を伸ばす。すぐに電流が走るが今度は引かなかった。すると体中に鋭い痛みが走る
「ハルカ!?無茶をするな!!お前の今の状態じゃ危険だ!!」
浮竹隊長が駆け寄ろうとするも、もう片方の手で来るのを制す
「いいんです…こんな痛みじゃない…彼の悲しみはこんなものじゃないんです……月華…ごめんね…貴方を置いていってしまって……貴方に許して貰おうとは思わない……でもお願い…もう一度、もう一度だけ傍に居させて!!」
その瞬間、斬魄刀が大きく光り電流が消える。私は斬魄刀を優しく抱きしめた
「月華…ごめんね――」
そう呟いた私は地面に倒れた
「ハルカ!!」
浮竹が駆け寄るとサラは気を失っており手の平は酷い火傷を負っていた
「こんなになって…ハルカ…お前はもっと自分を大事にしてもいいんだ……強がるなよ…」
浮竹は優しく頭を撫でると我が子を慈しむようにそっと抱きしめた