第17章 ~玖~UNTIL
「おーう!!やっぱココか!」
「一護……サラ!」
サラを連れて一護が向こうから歩いて来る
「サラ?今、サラって言ったのか!?」
「は…はい…ハルカサラ、海燕殿の部下でしたが…」
いきなり胸倉を掴まれたルキアはしどろもどろで答える
「そうか…お前が...オレの家に来た時は顔も名も隠してたから気付かなかった訳だ」
「あの…私を知っているのですか?」
空鶴の前まで来たサラが首を傾げる
「話でな。兄貴が帰って来る度、耳にタコが出来る位聞かされたもんだぜ」
「そうですか…」
「ああ…いつもお前の話だったから、からかってやろうと《兄貴はソイツに惚れてんのか》って聞いたら悪びれなく《そうだ》と答えやがった…妻帯者だぜ?怒りを通り越して呆れたよ」
「兄貴がサラちゃんを…?」
「その時、兄貴は自分は浮気者だって笑ってたけどその目は真剣で本気で愛してんだと思った
だから浮竹から兄貴の最期を聴いて少し安心したんだ…死ぬ瞬間お前の胸の中で死ねた兄貴は幸せだったろうって…ありがとな」
「感謝するのは私の方です…彼は私に人としての生き方、貫き方、愛し方を教えてくれました…」
「お前…もしかしてお前も兄貴の事…」
「はい…愛していました。でもそれに気付いたのは彼が居なくなってから…遅過ぎますよね」
「いや…そうか。兄貴は幸せ者だな。こんな美人に想われてたなんてよ。尚更お前には礼を言わなきゃなんねぇ……兄貴を好きになってくれてありがとう」
「…………はい…」
その言葉にサラは一筋の涙を流した。海燕の為に流すその涙はとても綺麗で空鶴と岩鷲の心にしっかりと刻まれた