第17章 ~玖~UNTIL
次の日の朝、私の病室をある人物が訪ねてくる
私はベッドから上体を起こしそちらを見る
「……そんな格好で現れるなんて珍しいわね?白哉…」
そこには牽星箝を付けず着流しを着た姿の白哉が立っていた
「今日退院でしょう?死覇装は?」
「今は六番隊隊長 朽木白哉では無く一人の男として此処に来た…この貌では兄は嫌か?」
「...いいえ?どちらかと言えばこっちの方が温かみがあって好きだわ」
「そうか…今回の事礼を言いに来た。ルキアを救ってくれたこと感謝する」
「救ったのは貴方よ白哉…やっぱり貴方は私の思った通りの人だったわ。こちらこそルキアを助けてくれてありがとう♪」
そう言ってにっこりと笑う私の手を白哉は優しく握る
「…手は動くのか?」
「ええ…切れた筋も元通り。さすが烈さんだわ」
すると優しく握られた手に力が増す
「体の傷は?」
「え?ええ…もう平気―――」
その言葉を聴いた途端に白哉は私を引寄せ抱きしめる
「白哉…どうしたの?」
「妹との長年の蟠りも消え掟に逆らった今、私は思うままに動くと決めたのだ…だからこうしてお前を抱いている…」
「思う…まま?」
「そうだ」
白哉は私の髪を鋤く。そして一束掬うとそこにキスを落とす
「ぇ……」
「美しい…」
白哉は一筋の束を唇に当てたまま私を見つめる
その目付きに私の心臓はドクンと跳ねた