第17章 ~玖~UNTIL
「サラ!?……いつから起きてた?」
「ついさっき…ありがとうの辺りから...」
「ほぼ最初からじゃねえか……って…え!?」
その言葉を聞いた冬獅郎は自分がやった事を思い出し顔に熱が集まるのを感じる
「わ…悪い!!オレそんなつもりじゃ…///」
「だから謝らなくていいって…」
「いや、そうじゃなくて…」
「私が皆にちゃんと話さなかったのがいけないの。それに最初に刀を向けたのは私…ごめんね冬獅郎」
「サラが謝る必要なんてねぇよ…生きてて良かった…」
冬獅郎は優しくサラに微笑む
「それは今回?それとも昔?」
「ばぁか…どっちもだ…」
そして二人は笑い合う。そこには穏やかな時間が流れていた。そんな時、一匹の地獄蝶が現れる
「伝令…明日緊急の隊首会を開きます。か…ったくあのジジイも人使い荒い」
「今が一番大変な時だからじゃない?隊長さん達も大変ね」
「サラだって隊長だろが。……戻るんだろ?」
「どうかしら……」
「疑惑は晴れたんだ。サラの傷が癒えたらすぐにでも復帰出来るだろう」
「そうね…」
サラの煮え切らない返事に気付く事なく冬獅郎は仕事があると部屋を出ていった
すると遅れて地獄蝶が現れサラの指に止まる
「明日…一番隊舎か……」
伝令を聴いたサラは一瞬暗い影を落としたが誰もいない部屋でそれに気付く事など皆無であった