第16章 ~㭭半~LIMIT2
ルキアは涙を浮かべながら白哉の手を握り直す
「兄様…兄様の気持ちが知る事が出来て私はとても嬉しいです」
「少しずつでもいい…ルキアと話をしろと…会話を通じてルキアの寂しさを埋めてくれと言われたのだ…」
「姉様に…ですか?」
「サラにだ……だが私はこのような事を口にするのは苦手だ…伝えるまでにこれほどの時間が経ってしまった…今更、遅いか?」
「遅くなどありません!!これからです…」
「そうか…これからが在るのもサラのお陰だ…サラが居なかったら私に太刀が深く刺さり死んでいただろう…私は礼を云わなくてはならぬ…頼む...サラを…サラを助けてくれ!!」
白哉らしからぬ叫びに一同驚くも卯ノ花はしっかりと頷いた
「兄様…もしやサラの事を…」
「緋真を想う心は変わらぬ…だがサラにも恋慕の念を抱いている…こんな兄は許せぬか?」
「いいえ…私もサラが大好きですから…」
「そうか…」
空が夕陽に染まるなか、ルキアの手を握りしめ白哉はゆっくりと目を閉じた
柔らかい風が吹く
何事のなかったかのような風
地面に当たるとサラサラと砂が舞う
その中をキラキラとした結晶が舞った
欠けた指輪はコナゴナに砕け空へと消えていった