第16章 ~㭭半~LIMIT2
「…旅禍の方には手助けは必要無さそうですね…朽木隊長も大分回復していると見えます」
伊「はっ!?そう…ですか!!」
そして卯ノ花はサラの元へと向かう
「…サラ……」
サラの顔は蒼白くそれを際立てる様に血で覆われ死んだ様に動かない
「可哀想に..貴女は充分に皆を護りました…今度は私が必ず貴女を助けます」
そして卯ノ花が治療している傍らでルキアは倒れている白哉を心配し手を握っていると、うっすらと目が開かれる
「…ルキア…そこに居るのか…」
「はい…兄様…」
「お前に話しておきたい事がある…五十年前…古い話だ――私は妻を亡くした」
「存じてます。緋真様…兄様はその奥方に似た私を気に入り朽木家にお迎えになったのだと…」
「そうだ。そう伝えろと指示したのだ…緋真は...お前の姉だ」
驚愕の事実を知りルキアは声も出ない。白哉は緋真が病に伏してる間もルキアを捜し続けていた事を告げる
「…自分の事は明かさず妹を護って欲しいと…そして皆の反対を押しきりお前を朽木家に入れたのだ。何としても緋真との約束を果たしたかったから…」
「兄…様…」
「そして誓ったのだ…掟に反するのはこれが最後だと…掟を護る事と緋真との約束…私はお前の極刑が決まった時、掟を取った…だが必死にお前を護ろうとする旅禍達に心が乱れた。そしてそれを打ち砕いたのがサラだ…」
白哉は荒い息のなかサラのいる方に目線を向ける
「幾度の戦いのなか何度も諭されそして市丸の太刀に飛び込むサラの姿に、気が付いたらお前を抱えていた…命を懸けてお前を救おうとするサラに私の掟は砕かれたのだ…ルキア……済まなかった…」
「……はい……!!」
ルキアは和解の意味を込めて白哉の手を固く握りしめた