第16章 ~㭭半~LIMIT2
「反膜じゃ。大虚が同族を助ける為の光…あれに包まれた以上、藍染には如何なる攻撃も届かん!!」
そして空の割れ目から何十体もの大虚が現れる
砕「大虚!!!!」
大「ギリアン…!!何体いやがんだ!!」
修「いや…まだ奥に何か居るぞ!?」
二番隊副隊長の大前田が呟くや否や修兵は大虚が居る奥を指差す
「…ごめんなァ乱菊…もうちょっと捕まっとっても良かったのに……このまま抱きしめときたかった…サラちゃん……ご免な」
そう言ってギンは唇に触れるだけのキスを落とすと少し悲しそうに笑い乱菊にサラを渡した
「……………」
乱菊はそんなギンの姿に黙ってサラを受け取った
狛「東仙!!降りてこい東仙!!!解せぬ…貴公は何故死神になった!?亡き友の為ではないのか!!正義を貫く為ではないのか!!貴公の正義は何処へ消えて失せた!?」
倒れていた狛村は立ち上がり空に登っていく東仙に叫ぶ
東「言っただろう狛村…私のこの眼に映るのは最も血に染まぬ道だけだ。正義は常に其処に在る…私の歩む道こそが正義だ」
浮「…大虚とまで手を組んだのか…何の為にだ」
「高みを求めて」
浮「地に堕ちたか藍染……!!」
抑揚の無い声で応える藍染に浮竹は憎々しげに吐き捨てた
「…傲りが過ぎるぞ浮竹、最初から誰も天に立ってなどいない。君も僕も神すらも――だがその耐え難い天の座の空白も終わる…これからは私が天に立つ」
そして地上と藍染達との距離が段々と離れていくなか、乱菊に支えられているサラはかろうじて動く右手をゆっくりと掲げる
乱「…サラ!?」
サラが何か呟いているが乱菊には聞き取る事が出来ない。そしてようやく最後の一節だけ聞き取れた
「―――…破道の零【絲錣】」
するとサラの指先から糸の様に細い高密度の霊子が藍染に向かい放たれる。だが反膜に遮られ藍染に届かない
藍「零番台の鬼道…禁術をそんな体で使うとは本当に死ぬ気らしいな…」
「やめろサラ!!そんな体では死んでしまう!!反膜を破るのは無理じゃ…――」
夜一が叫んだ瞬間、サラの指輪が砕け霊圧が跳ね上がる。その凄まじい霊圧に大気が揺れ、多くの者が膝をついた