第16章 ~㭭半~LIMIT2
「空鶴!!」
「おう夜一!あんまり暇だったからよ。散歩がてら様子見に来たぜ!さぁいくぜ兒丹坊!!」
空鶴は兒丹坊と一緒に門番を蹴散らしていく
「ひゃあ!!派手やなぁ……どないしよ?」
ギンはサラを庇う様に飛んでくる破片を手で払う
すると不意に背中に鉄の冷たさを感じる
「動かないで」
突如として隊長格が集まりギンは乱菊に捕らえられる
「…すんません藍染隊長、つかまってもた」
ギンは何事もなかったかの様に藍染に伝える
「サラ……サラを放しなさいギン」
乱菊は久しぶりに見る変わり果てた友の姿に驚くも気持ちを鎮めてギンに諭す
「……イヤや」
その思いもよらない返しに乱菊は眼を見開いた
「ギン!!!」
「イヤや言うとるやろ……絶対に離さへん…ボクが放したらサラちゃん冷たい地面に倒れてまう……」
「ギン…あんた……」
サラを護る様に抱きしめるギンは後ろからの乱菊には顔こそ見えないがその微かに震える背中にもう何も言う事が出来なかった
「これまでじゃな藍染」
「……何だって?」
「判らぬか藍染、最早お主等に逃げ場は無いということが!!」
こんな状況にも関わらず表情を変えない藍染は夜一の言葉にフッと笑みを浮かべる
「何が可笑しい…!?」
「ああ済まない…時間だ」
突如、空が割れ藍染の頭上に光が降り注ぐ
「!!!離れろ砕蜂ッ!」
間一髪で夜一と砕蜂は藍染から離れるとその光は完全に藍染を包み込んだ