第16章 ~㭭半~LIMIT2
「九十番台の詠唱破棄…いつの間にそないな事まで出来るようにならはったんです?」
「いや失敗だ。ああして生きているし威力の半分も出ていないからね」
そう言って颯爽と歩く藍染はルキアに近付く
「……さて済まない。君達との話の途中だったね」
藍染は再びルキアの首の枷を持ち話し出した
「朽木ルキアが現世で発見され、先ず行ったのは四十六室の抹殺だ」
「ぇ……?」
「君達は恐らく勇音くんからこう聞いている筈だ"藍染は死を装って行方を眩ませ然る後に四十六室を殺害した"と。だがソレは間違いだ
完全催眠を建物自体にかけ常に生きている様に見せ、自身が四十六室を演じ全ての命令を操作し続けた。無能な隊長達に呆れるよ…これに気付いたのは後にも先にもハルカ君だけだ…」
藍染はサラを見つめ優しい笑顔を張り付けるとすぐにルキアに向き直る
「そして捕縛を確実にする為に捕縛隊を六番隊へと変え、君を人間から遠避ける為に義骸の即時返却・破棄を命じ、君の魂魄を蒸発させ内部から崩玉を取り出す為に双極を使って君を処刑する事を決めた」
藍染は皆の怒りに充ちた視線を感じつつも嘲笑を続け、自身の懐から小さな試験管の様な箱を取り出す
「魂魄に直接埋め込まれた異物質を取り出す方法は二つしか無い」
双極の様に超々高度の熱破壊能力で外殻である魂魄を蒸発させて取り出す
何らかの方法で魂魄組成に直接介入して強制的に分離させる
「双極での処刑が失敗した場合、そのもう一つの方法を見つけなければならない。僕は浦原の過去の研究を一つずつ調べ上げた。魂魄への異物質埋没は彼の編み出した技術だ
ならばそれを取り出す技術も彼の過去の研究の中に必ず隠れていると読んだ」
そして藍染は箱を開ける
「そしてこれがその解だ!!」