第16章 ~㭭半~LIMIT2
「白道門でのギンの行動そして藍染隊長の死…ルキア奪還には何かが隠されていると疑念を抱きました。貴方達の目的が双極の解放だと思い、破壊しましたが貴方は現れなかった…そこで貴方の目的は双極ではないと踏みました」
「うん、それで?」
「一月も前に四十六室を抹殺して伝令を改竄…そこまでしてルキアの処刑を早める理由…誰もが双極だと思います。でもそれは一部でしかない
双極での処刑は肉体のみ成らず魂魄をも破壊する特殊なもの…ルキアを殺すなら目的は魂魄、だが魂魄まで蒸発するこの方法はあまりにも不可解です。という事は貴方達の目的は肉体でも魂魄でも無い…必要なのはルキアの中にある"何か"」
藍染は暫くの沈黙の後、頭を抱えて笑い出す
「……お見事だよハルカ君。君はいつも我々の先を行くね…そこまで判っているなら教えてあげよう。我々の真の目的というやつを」
そして藍染はルキアを掴んだままゆっくりと歩き始めた
「死神には4つの戦闘方法があるのは知っているね。斬術、白打、歩法、鬼道がそれだ。だがどれともに限界強度というものが存在する...しかしその限界を超える方法が一つだけあるんだ...」
「……死神の虚化…」
一護はその言葉に暴走した時の自分を重ねる
「そうだ。死神の虚化、虚の死神化…相反する二つの境界を取り払うことでその存在は更なる高みへと上り詰める。理論的にはかねてから存在するとされてきた。だから僕も密かに色々な虚を試してきたよ…」
私はその言葉に掌を握りしめる
「自らの霊圧を消すことの出来る虚…触れるだけで斬魄刀を消すことが出来死神と融合する能力を持つ虚…体内に入り込み操る事の出来る虚」
「「!!」」
一護の脳裏には母親、ルキアの脳裏には海燕の姿が浮かぶ
「だがどれも期待した程上手くいかなかった。僕も僕以外の者も皆その方法を見つけられなかった…だが浦原喜助はそれを造り出していたんだ」
「それって…」
その瞬間、私の背中に冷や汗が流れた