第3章 ~弐~FRIEND
思いがけない発言に騒然としていたはずがいつの間にかシンと静まり返っていた
「そんな...7地区【千里】出身じゃ…」
「途中からね。もし出身地区のおかげでこの生活を送っていけてるのなら一番嫌われるのは私」
「「「……………」」」
「だから出身がドコとかそんなのは関係ない。時間はかかるかも知れないけど必ず良くなる。同じ志を持っているんだもの...大丈夫よ。ここがどうして受かれば誰でも入れるのか...少しは考えなさい」
静かに響いたその声は柔らかく浸透して
自分の行いを恥じて皆、確実に耳を傾けていた
「おーい!!さっきの爆発といい何かあったのか?」
遠くから先生の声が聞こえ、恋次に文句を言った生徒達はビクッと体を強張らせる
告げ口されると成績に響く、どんな課税が課せられるのか、顔は青ざめていた
「大丈夫です!!何も問題ないですよ」
「どうして…?」
笑顔で答えるサラを前に皆、困惑している
「これ以上険悪になる必要ないし、皆が解ってくれたらそれでいいよ」
「すげぇ...」
オレは思わず呟いていた
この人は俺だけじゃなく皆の気持ちも考えてくれてる
たった数分で今までの蟠りが無くなっちまった…
すると、急に彼女はオレの方を振り向いた
「君、名前は?」
「え?...阿散井恋次ッス!!」
「恋次か。君は放課後補修ね?」
「え、マジ?」
「当然!ちゃんと出来るようになって欲しいしね」
ニコッと笑う彼女はもうさっきのコトなんて忘れてるみたいで、オレは今までの重圧から抜け出せた気がしてならなかった
出身地区によっての差別
いきなりは無くならないかもしれない
だが彼女の言葉によって変わろうとしている事は事実であった