第15章 ~捌~LIMIT
突然現れた私に、彼はそのままの体制で驚いた表情を浮かべた
「お前は旅禍…何故こんな所に一人でいる…奪還の目的は果たしたのだろう?」
「……貴方こそ…霊圧が全く感じられない…誰かと闘い霊圧を吸い取られたようですね」
その事実、九番隊副隊長の檜佐木修兵は十一番隊第五席の綾瀬川弓親の斬魄刀の能力により霊力を吸い取られていた
「…なら何だ。動けないオレを此処で殺していくか?」
「それだけ話せたら大丈夫ですね…私は先を急ぎますので」
そして私がソコを去ろうとした時、脳内に声が響く
《護廷十三隊各隊隊長及び副隊長・副隊長代理各位そして旅禍の皆さん こちらは四番隊副隊長 虎徹勇音です音声は届いていますか》
「これは…」
私は突然の伝令に足を止める
《緊急ですこれは四番隊隊長 卯ノ花烈と私 虎徹勇音よりの緊急電信です どうか暫しの間御清聴願います…これからお伝えすることは全て真実です…》
そして勇音は藍染の暴挙の全てを話し始めた
「そんな…東仙隊長が謀反なんて…」
驚愕の事実を知った修兵は飛び起きるも力の入らない体では思う様に動けず屋根から落ちてしまう
「チッ…クソッ!!力が入らねぇ…」
「……無理をすると本当に動けなくなりますよ」
「うるせぇ!!オレが…オレが東仙隊長を止めないと…」
それでも立ち上がろうとする修兵に私は歩みより、身を屈めた
「……なら少し動かないで…」
「何を…―――!?」
修兵の言葉を遮り私は修兵の口を自らの口で塞いだ