第15章 ~捌~LIMIT
卍解した冬獅郎の斬魄刀は氷龍と化し、龍から生えた翼は冬獅郎を包み込む様に広がった
そして部屋中を氷で埋め尽くし藍染へと斬りかかる
「藍染!!!!」
だが攻撃した筈の藍染はいつの間にか自分の真横に現れその瞬間、冬獅郎の体から血が噴き出す
「…嘘……だろ…」
冬獅郎は何が起きたか解らぬまま崩れ落ちるように倒れる
「…ひな…も…り…」
桃の遺体を見つめながら冬獅郎もまた息絶えた
そしてその途端に辺りの氷が結晶の様に崩れ落ちていく
「……良い眺めだな。季節じゃないがこの時期に見る氷も悪くない。さて行こうかギン…」
「はい、藍染隊長」
藍染達はこの場を去ろうとしてふと入口を見つめる
すると四番隊隊長の卯ノ花烈が副隊長の虎徹勇音を引き連れ入ってくる
「……やはり此処でしたか藍染隊長…いえ最早"隊長"と呼ぶべきではないでしょうね。大逆の罪人 藍染惣右介!!」
「どうも卯ノ花隊長。そろそろ来られるとは思っていましたがいつから此処に?」
藍染は爽やかに笑い卯ノ花に尋ねる
「貴方と日番谷隊長が話していた時です。尸魂界を混乱の渦に巻き込み、完全禁踏区域への侵入…そして日番谷隊長、雛森副隊長に対しての暴挙などその罪ははかりしれません」
「…その様子だと全て聞いてしまったんですね。どうして私が此処に居るとわかったんですか?」
藍染は白々しく疑問を問いかける
「如何なる理由があろうとも立ち入ることを許されない完全禁踏区域は瀞霊廷内にはこの清浄塔居林ただ一箇所のみ
貴方があれほどまでに精巧な"死体の人形"を作ってまで身を隠そうとしたならその行く先は瀞霊廷で最も安全で見つかりにくいここを置いて他にありません」
「……惜しいな。読みは良いが間違いが二つある 」
卯ノ花の見解に藍染はフッと笑みを洩らした