第15章 ~捌~LIMIT
双極に静けさが戻った時、二人の男はどちらと共に血を流していた
「…知りたがっていたな…私がルキアを殺す理由を…」
白哉の科白に立っているだけで精一杯の一護はそっと振り返った
朽木家は四大貴族の一角を担い全ての死神の軌範とならねばならない
掟通りに罪ある者は裁かれねばならない
例え肉親といえどその例外でない
「 我らが掟を守らずして誰が掟を守るというのだ」
「…判んねえや…オレがもしアンタの立場ならオレは掟と戦うと思う」
白哉は一護の言葉にサラの言葉を思い出す
《貴方の代わりに私が掟を破る》
ああ…そうか…此奴等の敵は私ではなかった
此奴等は最初から尸魂界の掟と戦っていたのだ…
サラ…兄は私をずっと朽木白哉として見てくれていたのだな…
そして白哉は一護を見つめた
似ている…その奔放さが疎ましかった海燕に
「 黒崎一護…私の刀は貴様の奔放さによって砕かれた…私は最早ルキアを追わぬ。この勝負、兄の勝ちだ」
そう言い白哉はこの場を去っていった。それを見て一護は空に向かって叫ぶ
「…オレの勝ちだ!!」
その途端、血を流し過ぎた一護は立ち眩みを起こしゆっくりと倒れていくがそれを阻まれる
織「ご、ごめんね、黒崎君ッ!支えようとしたんだけど…」
駆け付けた織姫の石頭にぶつかり倒れるのを阻止され一護は顔を上げると、織姫、石田、チャドと皆の姿があった
「…サンキュー…」
皆の無事に安堵し一護はゆっくりと倒れ込んだ