第14章 ~漆半々~GO3
消えゆく恋次の霊圧を感じた私は急いでその場所に向かいそこで白哉と出会う
私は白哉を通り過ぎると恋次の状態を確かめる
「ひどい傷…(でもまだ息はある…)」
私がはもの凄い速さで応急処置を施すのを白哉は黙って暫く見ていたが沈黙のまま立ち去ろうとする
「朽木白哉様!!お忘れ物ですよ?」
白哉が振り向くと私は恋次の上の薄衣を指さす
「…それは恋次に手向けた物…もはや私のものではない」
「…朽木家の証である銀白風花紗を手向けるとはよほど素晴らしい闘いだったのでしょうね」
「――…兄は何故そんな事まで知っている…兄は何者だ」
「…懺罪宮でお聴きになりませんでしたか?私の名前を…」
その言葉に白哉は眼を見開きこちらに近付く。そして目の前までやってくると、私からそっと口元を覆っている襟巻きを下げた
「サラ……」
「案外気付かないものね…白哉…」
白哉は壊れ物を包むかの様に優しく私を抱きしめる
「一度は死んだと聴かされた身…気付かないのも仕方なかろう……」
「それもそうね…」
しばらくされるがままになっていた私は、徐に口を開いた
「白哉、貴方はこれからどうするの?」
「……隊長として処刑を見届ける」