第3章 ~弐~FRIEND
演習を開始し暫く経った頃
「そう…もう少し手を前に」
サラの指導を受けている班の皆は男女問わず、優しい教えと美しい所作に見惚れていた
「はい、じゃ次の人」
「はいっお願いします。(落ち着いて…)…破道の三十一【赤火砲】!!!」
桃の放たれた霊光線は的の端に当たった
「凄い!まだこの時期に届くのも大変なのに…少し逸れたけどちゃんと当たったね」
「///あ…有難う御座います!!」
「ハイ♪…じゃ次」
「お願いします…破道の三十一【赤火砲】!!」
イヅルの放った鬼道は真っ直ぐ的に当たった
「「おおっ!!!!!」」
「凄くバランスがいい…きっと穏やかな性格なのね、言うコトないよ」
「あ、ありがとうございます///」
「クスッ...じゃ最後の人!!」
「ども…...あの、オレのコト――」
「よろしくね。ではあの的に向かって?」
「(覚えてないか…イカン!!集中しないと。落ち着け…)破道の三十一【赤火砲】 !!」
解号した途端、恋次の鬼道は手元で爆発し、辺りに煙が充満する
「!!!大丈夫!?ケガしなかった!?
「だ…大丈夫です…...」
少し咳込みながら、情けなさのあまり顔を赤らめる恋次を見て、周りからヒソヒソと声がする
「これだから嫌なんだよ。気性が荒くて剣振るしか脳のない奴」
「仕方ないよ...彼、流魂街78区出身だし」
「だからまともに鬼道の一つも打てないのよ」
次々に聴こえてくる同級達の声
(…ボンボンが。お前等に言われなくても自分が一番分かってんだ!!)
俯き拳を固く握る恋次を見て、サラは小さく溜息をつくと口を開いた