第3章 ~弐~FRIEND
数日後、私は鬼道担当の先生と鬼道演習場に来ていた
「いやぁ体験とはいえ助かるよ。ハルカは鬼道がずば抜けて上手いから」
「いえ、先生の教え方がいいからです。それで今日教えるのは何組なんですか?」
「何だ?聞いてないのか?今日は一組、特進学級だ!!」
「…聞いてないです」
「あー...まぁわざと言わなかったんだろうな。言ったら断るから」
「別に断ったりしないですよ?」
「そうか?オマエは普段は成績いいくせに筆記になるととんでもない間違いするだろ?この前は答えが一つずつずれてるし...その前はどう計算したのか全部50点だし...わざとだろ」
「あははっまさか!それも実力のうちです」
「オマエなぁ...」
呆れている先生の前に生徒達がゾロゾロと集まりだす
「おぉっ皆来たな。それではこれより破道三十番台 詠唱破棄の演習を始める!今日は体験学級の授業から六回生のハルカサラが補佐を務める」
皆、サラの姿を見て驚くなか、ある生徒は動揺を隠せなかった
その生徒の名は阿散井恋次、サラにぶつかった髪の赤い男である
(あの人この前の…てか先輩だったのか)
「阿散井君知ってるのかい?」
「あぁ…吉良か。いや、そんなんじゃない。」
話しかけてきたのは入学試験に首席合格した吉良イヅル
「そうかい?何だか落ち着かない感じだったけど」
「サラさんキレイだもんね~阿散井くん?」
「ひ、雛森!!そんなんじゃ////」
「照れなくてもいいよ。私でも見惚れちゃうもん!!それにサラさんは鬼道が上手いって有名で...憧れちゃうよ」
目を輝かせて溜め息を吐くのは雛森桃
物腰の柔らかい女の子だ
二人は俺に話しかけてくる唯一の同級だった
「聞いたコトあるヤツもいると思うが、コイツは鬼道の達人だ。こんな美人に教わってお前ら役得だぞ?」
「先生冗談ばっかり...いいから早速始めましょ?皆の演習時間短くなっちゃう」
「(冗談じゃないんだが…)では二つに別れて各々演習を行う。オマエはあっちを頼む」