第14章 ~漆半々~GO3
その言葉に漆黒の瞳と紅の瞳が絡み合う
一瞬とも永遠とも言える時間を最初に壊したのはギンであった
「……やからよぅ解らんゆうてるやろ」
ギンはそう言うと私の上から離れ立ち上がる
「そう…なら私は私のやり方で貴方達を止めるわ」
私は立ち上がるとギンに背中を向け歩き出す。すると突然腕を引かれギンの胸の中に収まる
「…何でここに来たん?あのまま…死んだままで良かったのに…」
「ギン………?」
小さく呟き私をきつく抱きしめるギンの顔は胸に顔を埋める私には見る事が出来ない
「どういう…」
私が言葉を紡ごうとするより早くギンは耳元で囁くと、私を離した
「……後はサラちゃん次第♪」
そう言ったギンの顔はいつもの笑みを浮かべた表情で私は返す言葉が見付からなかった
そしてギンは再び暗闇の中に消えていった
私は暫くそこに立ち尽くすと襟巻きを巻き直しある場所に向かって走り出した
ギンが呟いたあの言葉…
なら私のすべき事は―――
そして私はギンの言葉を頭の中で復唱する
舞台は双極の丘
そこで全てが判る―――