第3章 ~弐~FRIEND
私は廊下を歩き、教務室へ向かっていた
(さすがに試験の度に誤魔化すの難しくなってきたかな…まぁ修兵しか気付いてないから...いっか)
そんな事を考えながら歩いていると、角を曲がった所で何かにぶつかった
「きゃっ!!」
その拍子に後ろに倒れ、ギュッと目を瞑るがいつまで経っても衝撃が来ない
そっと目を開けると、誰かに抱き止められていた
「ごめんなさいっ!!考え事してて」
「いやっオレこそよそ見してたから…」
色鮮やかな赤い髪が印象的な少年、私はその色に釘付けになっていた
ふと視線を戻し、顔を見合せると彼の動きが止まる
「うわ…すげぇ美人...」
「ぇ...?」
聞こえなかった私が聞き返そうとすると、彼は抱き止めたままだった私を離す
何故か顔は少し赤くなっていて...
「クスッ...あかい...」
「えっ?///(そんなに赤くなってんのか!?)」
「髪の色、紅いのね」
「あぁ…(何だ髪か)変だろ?」
「え?とても綺麗だと思うけど...」
「綺麗?これが?」
「う、うん...」
彼は驚いたように目を丸くしている
そんなに変なコトを言ったつもりもなかった私は首を傾げる
すると彼は急に顔を逸らし、口元を手で抑えた
「そりゃ...どうも///」
「うん...?じゃぁ私行かないと…あなたのおかげでケガしなくてすんだ、ありがとう」
そう言って微笑むと、私は立ち去った
その後ろ姿を見詰めながら男は、長い間その場から動けなかった
「綺麗?アンタの方が綺麗だ...あっ名前聞くの忘れた」