第13章 ~漆半~GO2
岩鷲と花太郎は懺罪宮へと続く長い階段をひたすら登っていた
「一護さん…大丈夫でしょうか…―相手はあの"剣八"…死神の中で最も多くを殺した者に与えられる通り名の通りに無敵を誇る隊長…」
岩「…オレらん中で奴とまともに闘えんのはアイツだけだ!」
「でも斬っても倒れないとされる更木隊長相手には――」
岩「信じようぜ!!アイツは自分で助けたいに決まってんだ!それをオレらに託した…アイツの気持ちを汲んでやろうぜ」
「…ハイ…待ってて下さいルキアさん!」
岩鷲の言葉に花太郎は弱気な自分を奮い立たせた
そして階段を抜け尸魂界の中で最も高さを誇る塔へと辿り着き四深牢へと侵入する
岩「しかし皆が必死に助けたがってるルキアちゃんってな、相当なかわいこちゃんなんだろうなぁ?」
「…かわいこちゃんって今日び言わないですよね…ι」
岩「サラちゃんとどっちが――」
「誰だ?」
四深牢奥に見える白い影から声が発せられる
「ルキアさん!!僕です!!」
「花太郎かッ!?何故此処に…?」
「助けに来たんです!あ、この人は岩鷲さんって言って…」
岩「どういう事だ?」
「…え?」
急に声色が変わり恐い顔になる岩鷲に花太郎は疑問符が飛ぶ
岩「どういう事だよ!?コイツは……コイツはオレの兄貴を殺した死神だ!!」
「貴様…志波家の者か?」
「まさか!!岩鷲さん…ルキアさんはそんな事する人じゃ…」
「あの時オレは幼かったがハッキリ覚えてんぜその顔…!冗談じゃねぇ!!こんな奴の為に命張ってられるかよ!?オレぁ降りるぜ!!!」
そう言って岩鷲は四深牢を出ていく
「岩鷲さんッ!?」
「良い…志波家の者になら私は殺されても構わぬ…それより早くお前も逃げろ。じきに騒ぎを聞き付けた者が此処へ来るだろう――!!!あ…あぁ…」
突然のルキアの形相に花太郎は四深牢の外の通路を覗く
そこには貴族の証である白筒状の髪飾りに首巻、そして隊長羽織が目に入る
「―――兄様…ッ!」