第12章 ~漆~GO
「話してなかったものね……私は自分の部下を殺したの」
「…殺した?」
私は話し始めた。部下の一人に部下を全て殺された事、その殺した部下は虚に取り憑かれていた事、それを救う為に殺した事を―――
でも藍染の事は話さなかった
まだ核心に触れていない気がしたし、まだ話す時ではないと思ったから
「でも私が殺したという事実は変わらない。だから―――」
その瞬間、私は一護に抱きしめられていた
「………一護?」
「悪りぃ…何て言っていいか言葉が見つかんねぇ。サラは全然悪くねぇのに…」
「そう思ってくれるだけで私は救われてる…ありがとう」
私は一護の背中に腕を回し静かに目を閉じた
―――――――――
「…行くのか?」
「えぇ。必ず戻ってくるから…それまで無茶しないでね?」
「ああ、サラもな」
そして私は一人地下を後にし、聴こえない様に呟いた
「一護……ごめんね…」
私は殺されかけた事も言わなかった。それはルキア奪還に何か関わりがある様に思えたから
何か……
何か解らないけど胸騒ぎがする
この騒ぎに乗じて別の何かが動いているような…
(……一護がルキアを助けに懺罪宮に近づくまで私は事の成り行きを見届ける!!)
私はその胸騒ぎを止めるべく一人、護廷十三隊の動向を探る事にしたのだった