第12章 ~漆~GO
恋次は少し間合いを取ると一護に告げる
「…正直驚いたぜ。テメーは朽木隊長の攻撃で死んだと思ってたからな。どうやって生き延びたねか知らねぇが大したもんだ。褒めてやるよ…
だがここまでだ。言った筈だぜ?オレはルキアの力を奪ったヤツを殺す!!テメーが生きてちゃルキアに力が戻らねえんだよ!!」
「…殺す気で連れてったヤツが何言ってやがる!!」
恋次は霊圧を上げ斬魂刀を構え一護も体制に入る
長い闘いは恋次が優勢で着実に一護を追い詰めていった
「あ…ああ……や…やっぱりムリだ…ムリだったんだ!!副隊長を相手に戦うなんて…!そんなの…」
「……大丈夫よ花、一護は負けない。その証拠に…ほら」
すると急に一護の霊圧が跳ね上がり辺りを渦巻いていく
「…バカ野郎…"助けてえ"んじゃねえよ…"助ける"んだ!!」
「!!!……ふざけんな!!テメェがルキアの力を奪いやがったからルキアの罪は重くなったんだ!!わかってんのか!?テメェの所為でルキアは殺されるんだよ!!そのテメェがどの面下げて助けるなんてヌカしやがる!?ふざけんじゃねえ!!」
「…オレのせいでルキアが殺される…?判ってるさそんな事……だからオレが助けるんじゃねえかよ!!!」
その瞬間、一護の霊圧は最高潮に高まり辺りの大気を揺らした
「終わりだ恋次!!!」
その言葉を最後に恋次の身体は裂け夥しい血が辺りを濡らす。だが恋次は最後の力で踏み留まる
「ハァッ…ハァ……今にして思えばビビってただけなのかもしれねえな…オレは…まったく…骨の髄まで野良犬根性が染みついてやがるんだ…厭になるぜ…星に向かって吠えるばっかで飛びつく度胸もありゃしねえ…」
そう言って恋次は一護に掴み掛かる
「…オレは…結局朽木隊長に…一度も勝てねぇままだ…あの人は遠すぎる…力ずくでルキアを取り戻すなんて…オレにはできなかったんだ…!
…黒崎…恥を承知でてめえに頼む…!!…ルキアを…ルキアを助けてくれ…!!」
震える声で叫ぶ恋次は一護にそう告げるとその場にひれ伏した
「…ああ…」
一護はそんな恋次を見て悲しそうに切なそうに頷き、また一護も倒れそうになる。そんな一護を私はしっかりと抱きとめた