第12章 ~漆~GO
同じ頃、護廷十三隊一番隊舎―――
山「…来たか。さあ…今回の行動についての弁明を貰おうか!三番隊隊長…市丸ギン!!」
隊舎内に山本総隊長の声が響き渡る
ギ「何ですの?呼び出されたか思うたらこない大袈裟な…尸魂界を取り仕切る隊長さん方がボクなんかの為に揃いも揃ってまぁ…」
剣「ふざけてんなよ…テメェ一人で勝手に旅禍と遊んできたそうじゃねえか。しかも殺し損ねたってのはどういう訳だ?テメェ程の奴が旅禍の5・6人殺せねえ訳ねえだろ」
ギ「あら?死んでへんかってんねや?あれ…」
剣「何!?」
その言葉を聞いた剣八は今にも掴みかかりそうな距離までギンに近寄り恐ろしい形相で睨む
「いや、てっきり死んだ思うててんけどなぁ…ボクの勘も鈍ったかな?」
マ「…ククッ…猿芝居はやめたまえヨ。我々隊長フゼイが相手の魄動が消えたかどうか察知できないわけないだろ。それともそれが出来ないほど君は油断してたとでも言うのかネ!?」
冬「…始まったよバカオヤジ共のバカ喧嘩が…付き合いきれねぇな…」
そのやり取りに呆れた冬獅郎は小さく呟く
ギ「いややなあ~まるでボクがわざと逃がしたみたいな言い方やんか」
マ「そう言っているんだヨ」
ギンの笑顔にマユリは負けず劣らずの妖笑を貼付ける
剣「うるせえぞ涅…今はオレがこいつと喋ってんだ!!すっこんでろ!!オレに斬られてえなら話は別だがな!?」
そう言って剣八はマユリを睨みつけるそこに威厳に満ちた声が響いた
山「やめんかいみっともない…更木も涅も下がれ!!…じゃが今ので御主が此処へ呼ばれた理由は概ね伝わったかの。今回の御主の命令なしの単独行動、そして標的を取り逃すという隊長としてあるまじき失態!その為の隊首会じゃ。何ぞ弁明でもあるかの市丸や…」
その瞬間辺りは静まり返りギンに視線が集中するがギンはふっと笑みを漏らす
ギ「ありません」
山「...何?」
ギ「…弁明なんてありませんよ。今回はボクの凡ミス…言い訳のしようもないですわ」
ギンのその態度を改めようと山本が再び口を開こうとすると突然伝令が入った