第11章 ~陸~AWAKE
弟の発した内容に空鶴は驚愕し憤慨する
「!!! 岩鷲テメェッ…」
「姉ちゃんも黙って聞いててくれっ!!」
その凄みに空鶴は発しようとした言葉をつぐんだ
「…兄貴は天才だった…だけど兄貴は殺された!!仲間だった死神共に裏切られて!!けど兄貴は最後まで一度も死神共を憎みも嫌いもしなかった!オレは知りてえ…どうして兄貴は最後まで死神を憎まなかったのか!!どうして兄貴は最後まで死神を信じてられたのか…」
岩鷲はそう言って一護を見据える
岩「テメェは他の死神とは違う!!テメェに付いていけば何か判んじゃねえか…そんな気がする!!だからオレはテメェを手伝ってやる!本当の死神ってのがどういうモノなのか…ギリギリのとこまでいって見極めてやるよ!」
「岩鷲君……」
私は真実を伝えられない罪悪感と岩鷲の強い心にうっすらと涙を浮かべた
「…どうやら覚悟は決まってるみてえだな。途中でビビって逃げんじゃねーぞ糞ガキが…行くなら死ぬ気で行ってこい!!」
そう言って空鶴さんはニヤッと笑った
「ありがとう岩鷲くん」
サラが岩鷲に優しく微笑むと岩鷲はみるみる顔を真っ赤にした
「お…おうっ///」
「ガキがいっちょ前に色気付きやがって…用意はいいか!?もう待ったはきかねえぞ野郎共!!……じき夜が明ける。それを合図に打ち上げ式を始める……いくぜ!!!」
空鶴は詠唱を始めた
「彼方!赤銅色の強欲が36度の支配を欲している!!」
夜「始まったぞ!!霊力を込めろ!!」
「72対の幻…13対の角笛…猿の右手が星を掴む!!25輪の太陽に抱かれて砂の揺藍は血を流す…花鶴射法二番【拘咲】!!!」
空鶴の詠唱が終わった瞬間、サラ達は空に打ち上げられ瀞霊廷へと向かっていった
「…気をつけて行ってこいよ…岩鷲」
弟を想う姉の呟きは静かに空に消えていった