第11章 ~陸~AWAKE
「ごめんなさい。声掛けづらくて…」
「…嬢ちゃんか。で、俺に何か用か?」
私は襟巻きを取り空鶴さんの前に座る
「…そちらの御仏前に手を合わさせて頂きたいのです。御許し願えますか?」
「オマエ…兄貴の知り合いか?」
「はい…私も死神ですので…貴女方が死神を憎んでいる事は重々承知しております…ですがこの願い叶えて頂きたい…お願いします」
私は空鶴さんに頭を下げる。空鶴さんは少し黙ると軽くため息を吐き席を立った
「…兄貴の前で頭下げられちゃ拒否出来ねぇだろうが。俺は別室にいるから終わったら声を掛けろ」
「あ…有り難う御座います!!」
「ただし!!弟には何も言うなよ?…アイツは何も知らねぇんだ…」
「……はい」
空鶴さんは振り返ることなく部屋を出ていった。私は仏前に座り直し手を合わせる。そして合掌を終えると口を開いた
「海燕さん…来るのが遅くなってすみません。…貴方は昔、死んでも私の味方だと言ってくれましたよね…これから私がしようとしてる事も許してくれますか?貴方だったらどうしますか?答えて下さい海燕さん……貴方に…貴方に会いたいです…」
サラは位牌を見詰めながら静かに涙を流した。その光景を空鶴は襖越しに聞いていた
(あの女……まさかな)
そして空鶴は黙ったままその場を離れた。そして暫くして砲弾を完成させた一同は花鶴大砲の前に集まっていた
岩「ちょっと待ったぁ~!!!」
そう言ってやってきたのは先程とは違う衣服を身に纏った岩鷲だった
「…何だその格好は?」
「岩鷲様専用の戦闘服だ!!」
「戦闘服だあ?なんで見送りのテメーがそんな…」
一護が言い終わる前に岩鷲は一護の胸倉を掴む
「オレの兄貴は…死神に殺された!!」
岩鷲の言葉にサラは瞳に影を落とした