第11章 ~陸~AWAKE
「な…オラの斧が…」
兜丹坊は青ざめると、ガックリと項垂れた
「完敗だっ!!オラはお前ぇに完敗だ!!この白道門の門番になっで三百年…一度も負げだこどがながった…お前ぇはオラを負かすだ初めでの男だ…通れ!白道門の通行をが許可する!!」
そして兜丹坊は門に手をかけると持ち上げていった
すると門の奥に一人の男が立っており、兜丹坊は門を開けたまま固まり顔が青ざめていく
「...誰だ?」
一護は訝しい顔でその男を睨む
「…さ…三番隊隊長…市丸ギン…」
「―――――!!!」
震える声で兜丹坊が発した名前に私は心臓の鼓動が速くなるも、必死に平静を装った
「あぁこらアカン」
ギンがそう呟いた瞬間兜丹坊の左腕が飛んだ
「アカンなぁ…門番は門開けるためにいてんのとちゃうやろ」
「ぐ……オラは負げだんだ…負げだ門番が門を開げるのはあだり前のこどだべ!!」
そう言って兜丹坊は右手だけで門を支える
「?…何を言うてんねや?分かってへんねんな。負けた門番は門なんか開けへんよ門番が負けるゆうのは…"死ぬ"ゆう意味やぞ」
殺気を払ったギンが歩み寄ると、一護が兜丹坊の前に立ちはだかる
「そんなに殺りたきゃオレが相手してやる。武器も持ってねえ奴に平気で斬りかかるような奴はオレが斬る!!」
「はっ、おもろい子やな。ボクが怖ないんか?」
「ぜんぜ…――」
夜「止めるんじゃ一護!!一先ず引くぞ!!」
ふいに一護の後ろから発せられた声にギンは目線を移した
そして一人の人物に目を合わせる
あの瞳…
瞳しか見えん格好じゃ普通誰か解らんけどボクには解る
その瞳を最後に見たんはボクやから…
そうか…生きとったんやね
また会えるなんてなあ…
ギンは笑みを更に濃くして嬉しそうにサラを見つめた