第11章 ~陸~AWAKE
尸魂界へ向かう当日
「…旅行の間貸してやる。終わったらオレに返しに来い!!」
一心は一護に御守りを渡し珍しく真面目に見送ると、一護が走り去った方向とは逆を見やる
「おやぁサラちゃん♪一護のヤツなら長期の旅行に行くってたった今出掛けたよ?」
2人の様子を見ていた私はその声に一心さんの前に立つ
「一心さん気付いてるんでしょ?一護の事も…私の事も…」
「気付く?何を?」
「そういう所、似ている気がします...一心さんは死神で本当は...志波―――」
「サラちゃん」
そのいつもより低い声に私は口を閉じる
「…オレは黒崎一心。何にも知らんし知りたくもねぇ...だが、オレはアイツの父親だ。それだけは変えられねぇ。だろ?」
ニカッと笑う一心さんに私は昔愛した彼を思い浮かべた
「そうですね...ならそういう事で(笑)私もその旅行に行くんです。だから挨拶に…」
私は急に一心さんに抱きしめられあやす様に頭をポンポンと撫でられる
「そんな戻って来ない様な言い方すんなよ。サラちゃんもちゃんと五体満足で帰って来るんだ。心配かけるガキが二人もいると父さん辛いだろ?」
「二人って…」
「一護とサラちゃんに決まってんだろ。心配なんかしねぇ。だからしっかり旅行を楽しんで笑顔で帰ってこい」
「はい…いってきます一心さ…お父さん」
――――――
一護、石田、織姫、チャドは喜助が作成した現世と尸魂界を繋ぐ門、穿界門"の前にいた
「我々が穿界門を開いて尸魂界をへと繋いでいられる時間はもって四分。それを過ぎると門は閉じ君達は現世と尸魂界の狭間である“断界”に永久に閉じ込められることになる」
織「…ど…どうすれば…」
「前に進むのじゃ」
「夜一さん…それにサラ!?その格好…」
夜一を肩に乗せたサラは黒のジャケットにショートパンツ、首には顔が隠れるくらい大きな襟巻きを巻いた出で立ちで現れた