第11章 ~陸~AWAKE
すると突然サラは涙を浮かべる
「えっ!?…そんなに嫌でした!?」
「違う……」
「じゃ、どうして…」
「おまじない……相手が頑張れる様に、元気になれる様にって最後にしてくれたの思い出して…」
「ああ...そうでしたね 」
「喜助さん…もう一回して?」
「えっ!?してって言われるとやりづら…」
「お願い……」
涙をポロポロ流すサラに喜助は胸が高鳴るのを抑えそっと唇を落とす
「…もっと?」
黙って頷くサラの額に何度もキスの雨を降らせる
「…ありがとう元気、貰いました」
「…それは良かった♪じゃサラさんもくれません?」
「はい勿論―――!?」
サラは突然、喜助に唇を塞がれ驚く。だが抵抗しなかった。それは以前の乱暴で自分勝手なキスとは違い、とても優しく甘いキスだったから…
「…嫌でした?」
「…や…じゃない…けど///」
かぁっと赤くなった顔を隠すように手で覆いながら俯きどうして良いかわからないという顔をするサラがどうしようもなく可愛く、喜助はニンマリと笑う
そしてサラの手を掴んで顔を上げさせると、自然と絡み合う視線にサラの頬はますます赤く染まり瞳は潤いを増す。喜助はそんな表情に煽られもう一度唇を奪った
「んぅ…っ…ッ…ん///」
喜助がゆっくりと唇を離すと、サラは体の力が抜けへたり込む
「あれ?腰砕けちゃいました?そんなに上手いッスかね~(笑)」
「ど…うして」
「アタシは自称ハンサム"エロ"店長ッスよ?額なんてぬるいぬるい!!これからは口でお願いしますよん♪」
サラは呆気に取られ深くため息をつく
「…もう部屋に戻りますι」
そして去り際に喜助の耳元で囁いたサラは勉強部屋を後にした
「ホントに…小悪魔///」
喜助は耳を赤くして一人で笑いだした。
――考えておきますね――