第11章 ~陸~AWAKE
「皆さんこちらに!!」
鉄裁はジン太と雨を抱え岩影に身を潜める
「サラ殿も早く…サラ殿!?」
このまま此処にいたら直撃を免れない。だが私は何故だか体が動かなかった
どうしてだろう…
体が動かない
喜助さんと一護の闘いを見てから何かおかしい
今までどんな闘いを見てもこんな感情は無かった
胸が高鳴って手足が震える
そして頭が割れる様に痛い
誰か…
誰かが私の名前を呼んでいる
私は目が虚ろになりその場に立ち尽くす
「おい…サラ!?逃げろ!!」
「サラさん!?…クッ!!」
喜助はサラの元へと走り出すが斬撃は刻々とサラに迫っていく
間に合わない
誰もがそう確信した瞬間、一護が放った霊圧の斬撃は突如消え去った
「……消えた?」
「…サラさ…ん?」
斬撃が消滅した場所には手を前に翳したサラが立っていて、手からは霊子の煙が立ち上っていた
「これは…反鬼相殺!!」
ジ「反鬼…何だよそれ…」
「反鬼相殺…相手の鬼道に同質、同量の逆回転の鬼道をぶつけて消滅させる高等技法...これをサラ殿が...」
雨「?…でも今のは斬撃で鬼道では…」
「先程の斬撃は霊子を圧縮した物…鬼道の性質と類似している為、相殺出来たのかと...でもあの一瞬で見極めるなんて...」
皆が驚きを隠せない中、サラは自分の手を見つめたかと思うとその場に崩れ落ちる
「サラさん!!」
寸での所で喜助が抱き止めるとサラは意識を失っていた
「浦原さん!!サラは…」
「…大丈夫、気を失っているだけです。だが今のは…」
喜助は自分の腕の中にいるサラを真剣な目で見つめ続けた