第11章 ~陸~AWAKE
「なっ!?」
杖から出た刀で軽々と斬魄刀を折られ驚愕している一護同様、私も驚きを隠せない
「気を緩めましたね?死神でもない奴が持ってんだから斬魂刀じゃない、だから斬られても平気だと?つくづく甘い……起きろ【紅姫】…こいつは正真正銘"斬魂刀"ですよ」
そう言って喜助さんは再び斬魂刀を構える
「逃げもせずその折れた刀で刃を止めたことは褒めてあげましょ。たいした度胸だ。だけど…そんな斬魂刀で扞ぎきれるほど紅姫は優しくないっスよ!!」
その瞬間、一護の斬魂刀は斬り落とされてしまう
「さて刀は無くなった。どうします?まだそいつで向かってきますか?この帽子を落とすだけならその柄だけでも出来ない事じゃない。だけどそれはもう度胸や勇気じゃないってだけの話…先に言っておきましょうか、またその玩具でアタシと戦う気ならアタシは貴方をを殺します!!」
そう言った喜助さんからは遠くに居る私にでさえ殺気を感じる
(斬魄刀…喜助さんは……死神?)
その後、斬魄刀を失った一護は逃げ続けていたが何を思ったかいきなり立ち止まる
「…霊圧が変わった」
一護の霊圧が極端に跳ね上がり辺りが砂埃に包まれたかと思うと一護の声が響き渡る
「"斬月"!!!!」
砂埃が落ち着いていくと、そこから身の丈程もある柄も鍔もない大きな斬魂刀を持った一護の姿が現れた
「あれが一護の真の斬魂刀…」
「…………」
一護は無言で自分の斬魂刀を見つめる。その姿を見て私の脳裏に危険信号が点滅する
「さてと、そいじゃ斬魂刀も出てきたとこで本格的にレッスン3始めましょうか!」
「喜助さん…」
「…わりぃ浦原さん、うまく避けてくれよ…多分手加減できねぇ」
そう言った一護の斬魄刀からは目に見える程の霊気が現れそれを見た喜助さんは目を見開く
「啼け【紅姫】!!!」
その瞬間もの凄い爆音と共に喜助さんの帽子が宙に舞った
「…ふう…この"血霞の盾"が無ければ腕の一本くらいは持ってかれてたっスね…やれやれ…帽子も壊れちゃったっスねえ」
そう言って喜助は壊れた帽子を拾い頭に被せる。だが一護の放った斬撃は喜助の防御によって逸れていった