第11章 ~陸~AWAKE
一護は威圧感に押し潰されそうになりながらも必死に言葉を発した
「…間に合うのかオレは…」
「尸魂界は通例極囚の刑の執行までに一月の猶予期間をとります。これから君を虐めるのに十日間、尸魂界への門を開くのに七日間、そして尸魂界へ到着してから十三日間。充分間に合う。…思う力は鉄より強い。半端な覚悟ならドブに捨てましょ。十日間...私と殺し合い出来ますか?」
「…どーせオレが出来ねぇっつたら、誰もやる奴いねえんだろ。しょうがねぇっ!!やってやろうじゃねえか!!!」
その言葉に漸くサラに笑みが溢れる。だがその笑顔はとても悲しそうな、淋しそうな表情だった
そして数日後、修行をする為に浦原商店の地下へ降りていくと広い空洞が拡がっていた
「何だこりゃーっ!!?あの店の地下にこんなバカでかい空洞があったなんてー!!!!」
「うるせぇなゲタ帽子、わざわざ代わりに叫ばなくても充分ビックリしてるよ」
「フフフ…そうです。なにを隠そうこの勉強部屋!!!我々のオーバーテクノロジーの粋を結集して、たった一昼夜で完成させた代物なのです!!!」
「…あれか?アンタらの店長は客を無視して話を進める主義なのか?」
鉄「……うーむ…」
「閉塞感を緩和させるために天井には空のペイントを!!」
「刑務所と同じ考えだな」
「心に潤いを与えるために木々も植えておきました!!!」
「一本残らず枯れてるな」
「これだけのものを道路や他人様の家の地下に内緒で作るのはそりゃ骨が折れましたとも!!いや、よく頑張った♪」
「犯罪なんじゃねえのかそれ…まぁいいや。さっさと始めちまおうぜ。アンタの言うお勉強会ってやつをよ!!」
一護は勉強部屋での修行を開始する様に喜助さんに意気込む
「おや、いい心がけっスねぇ。そんじゃお望み通り…さっさと始めましょ」
その言葉の瞬間、喜助さんは持っている杖で一護と魂魄を無理やり剥離した