第10章 ~伍半々~NEW3
一護の叫びが雨となって降り注ぐ
そんな中、下駄を履いて帽子を被った男、浦原喜助が雨に打たれ平伏す一護に傘を差し出す
「…黒崎さん…死んだらサラさんが悲しむッスよ…」
そして一護を抱えその場を後にした
一護を浦原商店へ連れ帰り鉄裁の鬼道で治療していると、サラが現れる
「サラさん…目ェ覚ましたんスね…」
「…一護の具合は?」
「深手ですが命に別状は無いかと。大丈夫ですぞ」
「良かった…喜助さんありがとう」
「サラ...さん?」
「私があの場所に行っても何も出来なかったし余計に一護を危険に晒したと思う。だからありがとう…」
「…お礼を言われる様な事は何も無いッスよ…」
「ルキアは尸魂界に?」
「はい…私が行った時には黒崎さんしかいませんでした」
「なら次の事を考えなきゃ。一護も諦めてない…喜助さん協力してくれる?」
「…アナタって人は本当に...勿論そのつもりッスよ」
サラはその言葉にありがとうと言うと一護を心配そうに見つめた
その姿に喜助はそっとその場を離れ、傘も差さずに外に出た
私はまだ子供だ
黒崎さんを見つめるサラに苛立ちを覚える
朽木さんを助けに行こうとしたサラが発した言葉…
"ルキアが危険だということは、同時に一護にとっても危険であるはずだから "
その言葉に黒崎さんに嫉妬した
こんな状況なのに
どんどん欲が溢れていく
サラを好きな想いが溢れていく
喜助は自分の気持ちを抑える様に雨に打たれ続けた