第10章 ~伍半々~NEW3
いずれ
離れねばならぬ場所ならば
どれも枷にしかならぬ
思慕の情も
親愛の情も
友情も
まして それを羨む感情など
どれも必要のない感情だ
「求めすぎた結果なのだ朽木ルキア…これ以上、一護とサラに迷惑をかけてどうする…悲しませてどうするというのだ…」
ルキアは一人何かに追われる様に月明かりを走る
「背面適合113!神経結合率88.5!マジかよ本当に義骸に入ってんじゃねーか…映像庁の情報なんかあてになんねぇと思ってたのによ…朽木ルキア…」
ルキアは一人夜の街を走っていた
大量の虚が現れた件で尸魂界に一護の存在がバレた可能性がある為、皆に危険を及ぼさない様にここを去る事を決意したのだった
「私は…少し…こちらの世界に長く関わりすぎたのか…」
「イエーッス♪分かってンじゃねえか!!尸魂界からの追手が背後に迫ってるってのに考え事に夢中で声かけられるまで気付かねえってか?朽木ルキア!!」
考え事をしていたルキアは突然背後から響いた声に、冷や汗が流れ後ろを振り返ると知った人物に驚く
「…貴様…恋次!!阿散井恋次か!?」
「吐けよルキア、テメェの能力を奪った人間はどこにいる?」
「な…何を言っておるのだ?私が義骸に入っておるからといって力を奪われたとは限らぬ…まして、その力を奪った相手が人間だなどと…」
「人間だよ…でなきゃ、てめぇがそんな人間みてぇな表情してる筈がねえ!!」
「――――!!!」
「"人間への死神能力の譲渡"は重罪だぜ。その処刑を刑軍共じゃなくオレ達に任せたのは上なりの優しさだろうよ…さぁ居場所を吐けよルキア。オレ達はテメェを捕え、テメェから力を奪った奴を殺す!!なぁ朽木隊長?」
恋次が振り返った方角を見てルキアは目を見開き驚愕した
「……白哉…兄様……」