第10章 ~伍半々~NEW3
「虚?本当にいるんだろうな。最近現場に行ってもいねぇじゃねえか」
ルキアに連れ出されたオレは疑いの眼差しを向ける
「伝令神機の故障ではないのだが…何か別の奴に先を越されている気が―――」
そして予想通り虚の姿はなくオレ達を悩ませるのであった
その日の夜、オレはまた虚退治に出掛けた先で思いがけない人物に出会う
「オマエ…石田!?何でオレが見えて…」
石田は霊子で出来た弓らしき物を持ち、その武器でオレの目の前で虚を倒してしまった
「黒崎一護。僕は入学した時から気付いていたよ。君の以上な霊力の高さも死神だという事もね。…そして朽木ルキアの事も」
そう言うと突如石田の周りに無数の帯状の布が現れる
「これは霊絡と言って大気中の霊気を視覚化した物。死神の霊絡は紅いからすぐに君等が死神だと解ったが一つだけ解らない事がある…ハルカサラ。彼女は何者なんだい?」
「なっ何だよ急に…」
「彼女の霊絡は限りなく白に近いが紅い。人間で無い事は承知…彼女は死神か?」
「…そういう事は本人に聞けよ」
「成る程…勝負をしないか黒崎一護。君と僕とどちらが優れているか。いい事だと思わないかサラさん?」
石田の目線の先、道の陰からサラが現れる
「盗み聞きするつもりじゃ無かったんだけど…買物の帰りに一護達を見付けて出るに出れなくなっちゃった。雨竜…勝負って?」
「これは対虚用の撒き餌さ。割ると集まって来る。集まって来た虚を多く倒した方の勝ち」
「な…ダメ!!そんなコト...」
「テメェ…いいぜ乗ってやる!!」
「一護!?駄目――」
雨竜は一護の了解をきっかけに無言で撒き餌を割ると虚が辺りに現れた
一護達は辺りの虚を倒していくが次々に現れきりがない
そのうちの一匹の虚が私を襲い、鋭い爪が腕をかすめた
「っ....!!」
「サラ!!…おい石田!!いくらなんでも多すぎる!!」
「一護…うえ…」
私の声に一護は空を見上げると、数えきれない数の虚が押し寄せていた