第3章 ~弐~FRIEND
私の問いかけに月華は微笑んだ
《サラは...本当に優しいね。言っただろう?僕が君を選んだんだ...僕の想いはこの時から決まってる》
そうじゃなきゃこんな少女に僕の力は使わせない
そう言うと、月華は私の頬に口付けた
「優しいのはあなたの方よ...月華、私に力を貸してくれる?」
《喜んで、我が姫》
月華は一度だけ私を抱きしめると、体を離し、真剣な顔付きで話し始めた
《卍解に必要なのは"具象化"と"屈服"。具象化は僕が具現化(勝手に)してるからいいとして、問題は屈服...サラを主と認め、僕をひれ伏させる事》
「え?でもそれって元々、月華は…」
《そう、だからすぐに屈してもいいんだけどそれじゃサラの為にならないからね。それに僕の力は強大だ。いくらサラでも難しいよ?》
「…なら本気で行かないと。死神なるのも会得するまでは辞める」
《何故?時間はあるんだ。ゆっくり己を磨けばいい。通常卍解は会得するのに10年かかると云われていて――》
「…私器用じゃないから一度に色んな事出来ないの。だから会得するまで死神にはならない。もしこのまま学校に行ったら月華の事ばかり考えちゃうもの」
そう言って微笑むサラに月華は赤らめた顔を見られまいとサラを抱き締め顔を埋めた
《……あまり可愛い事を言わないで…屈しそうになる。》
「ふふっ、だからそれじゃ駄目だってば…」
それから一年弱、私は卍解を会得した。