第10章 ~伍半々~NEW3
一護と偽一護に攻撃された虚はある凄い勢いで飛ばされる
その虚の飛んでいく姿を見ていた偽一護は、ハッと何かに気がつき虚に向かって走り出す
「お…おいっ!?」
偽一護は虚を蹴り上げ虚は空中で昇華していくが、偽一護はそのままバランスを崩し地上へ落下していく
それを一護が寸での所で掴み引き上げた
「馬鹿野郎!!なんて無茶するんだテメェは!? 虚は頭割りゃほっといても消えるんだ。 それを態々蹴り上げたりして――」
「一護!!………これ」
私が指をさす方を見ると、虚が落下しそうになった場所に蟻が行列を作っていた
「オレは…オレは何も殺さねぇんだ!!オレが作られてすぐに尸魂界はモッドソウルの廃棄命令を出した…つまりそれは作られた次の日には死ぬ日が決まってたってことだ」
「…………」
「オレはあの丸薬の中で毎日怯えてたよ。周りの仲間が一日ごとに減っていく…運よく他の丸薬にまぎれて倉庫から抜け出せた後、いつか見つかって廃棄されるんじゃないかとビクビクしてた…どうしてオレの命が他人に決められちまうのか!!
だから…だからオレは殺さねぇ!!そして誰も死ぬところなんて見たくねぇんだ…」
「おや~?やっと見つけたと思ったらボロボロじゃないスか。こりゃ用意した道具殆ど無駄になっちゃったっスねぇ…」
いきなり聴こえた声に皆が振り向くと、下駄を履き帽子を被った男、浦原喜助を筆頭に浦原商店の皆の姿があった
「……喜助さん…」
喜助さんはにっこりと私に微笑みを見せたかと思うと、持っていた杖で偽一護の頭を突く
すると、本体の中にある義魂丸が転がり落ち一護の体がその場に崩れ落ちた