第10章 ~伍半々~NEW3
とある朝、サラが学校へ行ったのと入れ違いにルキアが浦原商店へ顔を出す
「浦原はいるか」
「おやぁ朽木さんいらっしゃい。朝早くからどうしたんスか?」
「どうしたではなかろう。頼んでおいた物を取りに来たのだ」
「そうでしたね、ちょっと待ってて下さい」
喜助は雨に頼んで倉庫からある物を持って来させると、ルキアに手渡した
「確かに…では失礼する」
「...ちょっと待って下さい!!」
学校へ向かおうとするルキアを喜助はふいに呼び止める
「何だ?何か用でもあるのか?」
「…貴女はサラさんの死神だった頃を知ってるんスよね?」
「やはりあの時、井上の家からサラを連れ出したのは貴様だったか…という事はサラは此処にいるのか?」
「はい。もう一年半くらいになりますかね...」
「ならサラが死んだと聴かされた時にはもう此処に居たのか…」
「サラさんが死んだとされる理由は何なんです?」
「解らん…私は一般隊士ゆえ上司に死んだと聞かされただけだ」
「…そうッスか」
「だが...」
ルキアの言葉に喜助はピクリと眉を寄せた
「上司...隊長は何かを隠しているように思えた。...それだけだ」
ルキアは振り返ることなくその場を後にした
喜助は暫くの間、考えるように目を閉じると、店の奥へと引き返していった