第9章 ~伍半~NEW2
「「…え?」」
「虚から護ってくれたんでしょ?」
その言葉に二人はみるみるうちに慌てだす
「なっ...ルキアてめぇちゃんと記憶消したんじゃねぇのかよ!?」
「莫迦者!!ちゃんとやったわ!!」
「効かなかったみたいね…ありがとうまた助けて貰っちゃった」
「またって…まさか…」
「死神でしょ二人共、そして私も…」
「まさか...記憶が戻ったのか!?」
「ううん…でもそうみたい。ルキアちゃんはその時の知り合いなんだよね?」
「あ…あぁ…」
少し残念そうな顔を浮かべるルキアちゃんに、私は胸がチクンと痛んだ
「そっか…忘れちゃってごめんね…でもさっき貴女は私の事を親友って言ってくれた…凄く嬉しかったの。ルキアちゃんが知ってる私じゃないけど…これからもお友達でいてくれる?」
私の言葉にルキアちゃんは目に涙を浮かべると抱きついてくる
「当たり前だろう!!サラはサラだ…私はサラだから友になったのだ!!…また、会えて良かった…」
「うん…ありがとうルキア…」
私はルキアを抱きしめお互いに笑いあった
そして先程の事件の詳細を聞き胸を撫で下ろした
「良かった…チャドもあの子も助かったんだ」
「あぁ。あのシバタって少年、サラに感謝してたぜ?ありがとうってな」
その言葉に私は自虐的な笑みを見せる
「はは…私は何もしてないよ。いや…何も出来ない」
「?」
「自分が死神だって言われても何も変わらない。霊こそ見えるけどそれだけ…勝手に突っ走って周りに迷惑をかけて――」
「そんな事ねぇ!!」
突然響く一護の怒鳴り声に、私は一瞬ビクッと肩が震える
「…一護?」
「そんな事言うんじゃねぇよ…サラはよくやってるだろ?普通怖い筈なのに身を張って護ったじゃねえか…結果じゃねぇ…その過程が大切なんだ。大事なモノを護ろうとするサラは誰よりもすげ――」
一護の言葉を遮り私は顔を歪め、一護に抱きついた
「ごめん…少しだけこうさせて…」
震える声に一護は優しく頭を撫で続けてくれた
「……ありがとう…」