第9章 ~伍半~NEW2
静かに目を開けるとそこは見慣れた場所
私はいつの間にか浦原商店に戻ってきていた
「気付きましたか」
「喜助さん…私どうして…」
「まだ寝てて下さい。体に障ります」
「...喜助さんが助けてくれたの?」
私の質問に、喜助さんは少し沈黙する
「...私はサラさんが遅いんで迎えに行っただけッスよ」
「…うそつき。喜助さん達も虚が見えてるんでしょう?知ってたんです…喜助さん達が私に隠れて虚を退治してるの」
「知ってたんスか…」
「最初は魂魄の私が見えるから霊感があるのかな位にしか…でも違う。皆には何か特別な力があって…この傷もテッサイさんが治してくれたんでしょう?夜一さんだって変身出来るし」
「そこまで…まぁ今日みたいな事があるともはや誤魔化せませんね」
そして喜助さんは虚の事、自分の裏家業の事、この世には死神が存在する事を話してくれた
「サラさん、どうして貴女はそこまで気付きながら今まで何も聞かなかったんスか?」
「…だって喜助さん達が私に心配かけない様にしてるの知ってたから…だから私が聞く事で周りを困らせるなら知らない振りをしようと思ったんです」
「すみません…私が黙ってる様に言ったせいで今回このような事になってしまった…私の責任です。もっと早くに伝えていれば良かった...」
頭を下げる喜助さんに、私は咄嗟に体を起こした
「喜助さんが謝る事なんて…」
「いぇ、隠してる事がもう一つある...サラさん…貴女は死神です」