第9章 ~伍半~NEW2
噛み付かれ肩から血が飛び散る
私は痛みに顔を歪めた
「サラ!!!!」
織「サラちゃん!?」
「…兄が…どうして一番最初に生まれてくるか知ってる…?後から生まれてくる…弟や妹を守る為なの…お兄ちゃんが妹に向かって"殺してやる"なんて…死んでもそんな事言わないで…同じなの…死んだ人も残された人もどっちも同じだけ淋しいの…!!自分一人だけが淋しいなんて…そんな勝手な事思わないで!!!」
「サラ…お前…」
私の飛び散る血が涙の様に頬を伝う。それに虚は一瞬揺らいだように見えた
織「私…お兄ちゃんに聞いて欲しかったの…学校であった楽しいこと、好きなこと、好きなもの、好きな人達…最初は毎日祈ってばかりだった…でもそれじゃあいけないって思ったの…淋しくさせてごめんなさい…大好きだよ…」
織姫の言葉に安心した私はその場に崩れ落ちる
《…俺は本当は気付いていたんだ織姫…お前が俺を心配させないために祈るのをやめたんだってことを…でも…それでも祈っていて欲しかったんだ…俺の為に祈ってくれている間だけは心は俺だけのものだったから…》
虚は体を引きずりながら一護の持つ斬魄刀の刃を自分に向けた
《このままでも俺はきっと、いずれまた自分を失って織姫達を襲う。だから今少しでも正気を保っている間に消えておきたいんだ…君もすまなかったね…》
その言葉に私は微笑みを向けた
《ありがとう…それじゃ…さよならだ織姫》
織「お兄ちゃん…いってらっしゃい…」
消える間際に言われた言葉に織姫の兄は笑顔を見せそして消えた
「サラ!!!井上!!!」
「狼狽えるな!!因果の鎖は切れておらんからそいつは助かる!!だがサラは出血が多すぎる…私の鬼道でどこまで治せるか…」
「なら私が預かりましょう」
突如現れた男にサラは抱き抱えられるとあっという間に連れて行かれたのであった