第9章 ~伍半~NEW2
驚きを隠せないオレにルキアは躊躇いつつも口を開いた
「虚というのは全て元は…普通の人間の魂だったものだからだ」
「どういう事だ!?普通の人間って…聞いてねぇぞそんな事!!あいつらバケモンだろ!?倒さなきゃいけねぇモンなんだろ!?」
「そうだ!!今はもう化け物だ!!倒さねばならない!!…口論している暇はない。あの女と...サラが死ぬぞ!?」
その頃私と織姫は夕食を食べ終え歓談していた
織「すっごい美味しかった~♪サラちゃんって料理上手だね」
「良かった♪そう言って貰えて―――」
話の途中に突然劈くような音が聞こえ、二人は音の方に顔を向けると遅れるように置いてあった熊のぬいぐるみが転がった
織「ああっエンラクが落ちてきた!大丈夫!?エンラク!!」
「円楽…?」
織「ああっ!!何でこんなに裂けてるの~!?」
私が裂けたぬいぐるみを見ようと、織姫に近寄ると急に頭痛が襲う
「――ッ!!!まさか…織姫それ離して!!」
織「へ?…何これ…なんか血みたいな…」
ぬいぐるみを持つ自分の手に血が付いているのに気付いた瞬間、突如裂けた部分から虚の手が伸び織姫の体を貫通した
「織姫!!!」
仰向けで倒れた織姫に声をかけるが応答はない
「何!?…何故こんな事に…!?」
織(あれ?体…あんなとこにある…一体どうなっちゃったの?)
肉体と精神が分かれた織姫は宙に浮いていて、自分の胸部にある鎖が横たわる自分と繋がっていた
織(死んだのかな私…頭がくらくらする…この鎖…何だろすごく苦しい…)
織姫に襲いかかる虚に、私は織姫を庇う様に抱きしめる
それにより背中が裂け血が溢れた
織「サラちゃん!?離して!!早く逃げないと…」
「だめ…絶対に離さない!!」
《霊圧が高いと思ったら...彼女は魂魄に触れられるのか…ムダだよ織姫…逃げる事なんて出来ないよ…》
織「どうして…あたしの名前知ってるの…」
《俺の声も忘れたのか…悲しいな織姫!!》
私ごと織姫を殺そうと虚は手を振りかざす
だが突如現れた人物にそれを阻まれた
「…いち…ご…?」