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月に泣く~BLEACH~

第3章 ~弐~FRIEND


何度も見る夢
その日ばかりは違っていた

いつもと変わらず同じ内容、同じ言葉
なのに意識ははっきりしている感覚

この不思議な感覚...
今なら分かる気がする――――

「.....月華」

私はしっかりと呟いた



〝月華”

自然と口にした途端、引き込まれるような感覚に襲われ、気が付くと見たことのない景色が広がっていた

一面に白銀の砂で埋め尽くされ光り輝いているそこは、
なんとも綺麗で奇妙な場所で

「ここは....」

《此処は君の精神世界》


見た目二十歳くらいだろうか、肩まである銀色の髪を後ろで結わえ、白の色無地を着た男が私を見つめている

白い肌
淡麗な顔
曇りのない漆黒の瞳は周りの色との対比して、より一層際立たされる


「....綺麗」


急に現れたにも関わらず、あまりの美しさに目を奪われ、そんなコトを口走っていた


《君の、サラの方が美しいよ》


穏やかで柔らかい声と表情に、私は心が落ち着くのを感じていた


「私を知っているの?あなたは誰?」


《僕がサラを知っている様に、サラも僕を知っているよ》


「.....あなたを見ていると思い出すものがあるの...私の浅打」

《...御名答》

するといつの間にか彼の手に私の浅打が現れている


《僕はこれを具現化した姿、つまり斬魄刀だ》


「斬魄刀?それは死神の...」


《僕には他の斬魄刀にはない特殊な力があってね、僕自身が主を選べるんだ...この意味が解るかい?》


「私に死神になれ...と?」


《それは君次第だ、だが君が強くあろうとしたのは何故?》


「それは...私にも分からない。でも何かを護りたいって...」


《それで十分だ、人は大切な何かを護りたいと思った時に本当に強くなれるんだ》


「大切な...私にも出来る?」


《ああ...僕がずっと傍にいて見届けてあげる...》

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