第9章 ~伍半~NEW2
オレは眼を疑った
黒い着物に刀を刺した女が自分の部屋にいたからだ
霊体である事は確かで丁度新たな霊に取りつかれ虫の居所が悪いオレは呼んでも無視を続ける女を蹴り飛ばした
「…つまりあんたは死神で…その[ソウルソサエティ]とかいう所からはるばる悪霊退治にやってきたって訳か。よし信じよう!!…って信じられるかボケェ!!」
オレは突如現われた女に"自分は死神だ"と言われたが信じられずにいた
「貴様…幽霊が見えるくせに死神の存在は信じぬと言うのか!?」
「あたりめぇだ。生憎今まで死神は一回も見たことがねぇんだよ。目に見えないモンは信じない主義なんでな!!死神ごっこは余所でやってくれクソガキ!!」
「ほざきおったな…縛道の一【塞】!!」
突然女の発した言葉によってオレは勝手に腕を後ろ手に固定され動けなくなる
「て…ッてめえ…何しやがった!?」
「フフ…動けまい。こいつは"鬼道"と言ってな、死神にしか使えぬ高尚な呪術だ!私はこう見えても貴様の10倍近く生きておるのだ。それを糞餓鬼だと?本来なら貴様のような輩は殺してやるのだが、一応霊法で指令外の人間を殺してはならぬことになっておるのでな…
そうして動きを封じるだけで勘弁してやる。感謝しろ糞餓鬼!!」
そして女は刀を抜くと一護に憑いた霊を浄化していく
「これは"魂葬"という。貴様らの言葉では"成仏"と言ったかな…死神の仕事のうちの一つだ」
そして女は床に倒れている一護に死神の仕事を説明を始める
「いいか…この世には2種類の魂魄がある。一つは【整(プラス)】と呼ばれる通常の霊。そして今一つが【虚(ホロウ)】と呼ばれ生者の別無く襲って魂を喰らう。それが世間で言う悪霊... 我々死神の仕事は二つ。一つは"整"を"魂葬"で尸魂界へと導くこと。
そして二つ目が"虚"を昇華、滅却することだ。今回の私の任務はこれにあたる」
「……?ちょっとまて!!オマエがその任務でここに来たってことは、その虚ってのは今この近くにいるって事か!?」
「そうなるな」
淡淡と答える女にオレは焦りだした