第9章 ~伍半~NEW2
〝だって私も見えるもの”
そう言ったサラは少女の霊に手を振った
「ウソだろ!?マジかよ…」
「確かに理解されにくいけどね~?でも一護はよくこうして素敵な事に使ってるの知ってたから…」
「…ありがとな」
「何が?」
そう言ってサラは笑いながら帰っていった
嫌われるかと思ったのに同じ力を持っているなんて...
自分の力を理解してくれることに救われた想いがした――――――
「ただいま~…」
「遅────い!!!」
玄関を開けた途端、オレは親父に飛び蹴りを喰わされた
「今何時だと思ってんだ!!この不良息子!!サラちゃんとデートかこの野郎!!」
「違げぇしんなもん知らねえよ!!大体なァ、除霊して帰ってきた息子に蹴りいれる奴が何処にいんだ!!
それにどこの世界に健全な男子高校生を毎日19時に帰宅させる家が…」
遊「あ!!お兄ちゃんもう新しいヒトついてるよ?」
「ああッこいついつの間に!!」
遊子に言われ一護が背後を見ると新たに霊が憑いていた
「祓っても祓っても、すぐコレだ!!ちくしょー!!」
夏「見える触れる喋れる上に超A級霊媒体質の四重苦。ハイスペックで大変だねぇ一兄も」
遊「でもさー、ちょっと羨ましいよねお兄ちゃん。私なんてボンヤリとしか見えないもん」
夏「私幽霊とかそういうの信じてないから」
遊「でも夏梨ちゃん見えるじゃん」
夏「見えようが何しようが信じてなけりゃ、いないのと同じ」
「スキあり!!!」
言うより早く一心は一護に十字固めをしたが、それを振り切って一護は相手にしてられないと怒り自室へ入ってしまった
だが一護は知らない
自分の平穏な日々が扉を開けたことによって、180度変わってしまうことを―――